科学アドベンチャーシリーズ第4作にあたる「CHAOS;CHILD」をプレイし終えた。
いつものごとく文章力がないので簡単な感想ではあるが、ネタバレ注意。ネタバレ程ではないけどカオスヘッドの事も一瞬だけ書いてる。
- カオスヘッドとチャイルドの雰囲気の違い
私はシリーズ第1作の「CHAOS;HEAD」を大体1年前にプレイしているのだが、個人的にはこちらの方が好みである。事件の真相とか内容がどうこうという話ではなく、各キャラクターの言動や文章表現の癖から生み出される作品全体の雰囲気が、カオスヘッドの方が好きということであって、内容自体はカオスチャイルドも十分面白かったし某ルートでは滅茶苦茶度肝を抜かれた。
カオスヘッドは、とにかく閉鎖的なのである。主人公の性格は一人暮らしの引きこもりのオタクで、留年しない必要最低限しか学校に行っていないので、便利な情報・伏線提供の場である学校があまり機能していない。また引きこもりと言ったように、ろくに外出もしないので、外出先で情報収集といったことも少ない。もちろんネットのみの情報収集の限界で外出することはあるのだが、主人公の引きこもり体質による閉鎖感はとても大きい。そんな閉鎖的な環境で生活している人間に次第に迫りくる危機というのは、正体不明の怪異であり恐怖の対象で、他人との交流も少ないため誰が攻撃してくるか分からず、周りの人間全てに対して疑心暗鬼になるというものである。
一方でカオスチャイルドは、まあちょっとコミュ障だったり一人暮らししていたりはするが、学校にはちゃんと行っているし、コミュ障と言っても必要最低限の会話はできているし、新聞部というコミュニティにも属しているので、カオスヘッドと比べてかなり開放的な環境で物語が進行している。そいうのもあって、本作はカオスヘッド程の緊張感は薄かったかなと感じた。もちろん全くなかったと言えば流石に噓になるが。
- 各ルート感想
1週目
被害者の殺害方法とかグロテスクな表現はそんなヤバいわけでは無く、むしろ物足りないなーとさえ思えた（感覚麻痺）。物理的なグロさは確かにあったと思うが、精神的に追い詰めてくる恐怖が物足りなかった感じである。たぶんそれは、先にも述べたような、作品全体の雰囲気とも関係しているんだろう。個人的にグロいと思ったのは「こっちみんな」で腕を切る所、結衣殺した後の伊藤が錯乱して頭蓋を地面に何度も叩き付ける所かな。結衣の箱詰めは、蓋開けた状態で並べられてたら現実感もっとあって良かったんじゃないかな。
ゲロカエルんストラップを使った黒幕の提示には割と驚愕したし、無意識のうちにあの音を疑念を持たせずに刷り込ませるのは本当に凄いと思った。よく考えたら志倉千代丸過去作にも似たようなトリック使ってるんだよな……気づけなかったのは非常に悔しかった。
有村編
ただのヘテロルートですね、本当にありがとうございました。
まあ有村母が起こした事件についてはただの私怨なので、クソババア死ねとしか思えない。っていうかあの時の有村母には有村が老婆に見えていたはずだから、「あんたなんて生まなければ良かった」にプラスαのニュアンスが含まれてそう。まあストーリーには関係ないけど。
拓留は死んでもうたけど、まあ有村が夢の中で幸せそうならひとまずいいんじゃねと
私は思ってしまう。いつかは夢から醒めて現実を見るべきだと思うが、しばらくは楽しい思いさせてあげようよ、と。
香月編
カオスヘッドにも300人委員会は出てきたけど、それよりも直接的に関わってきたなと思った。まあそれにしても戦闘入ってからの和久井の小物感すごかったな。めっちゃテンプレだった。私も香月みたいに巨大な何かを口だけで動かして、街をぶっ壊してみたい。力士シールマンじゃなくてガンダムとかが良いけど。
山添編
Dream Sky End
正直共通Bad4の終わり方が一番好き。覚めない夢の中でいつまでも楽しい生活を送るの、非常に性癖（有村編と言ってること真逆）。
まあでも、刺されたのは実は逆だったってのには素直に驚かされた。うきの能力が能力だからミスリードするのは至極当然と言えるが。
車椅子の中で廃人になっているうきの意識が戻りそうな希望を見せたラストだったが、個人的には拓留は一生その形でうきに償っていて欲しい。うきや拓留の物言い的にたぶん戻ってくることはないんだろうけどね。
Another Sky End
プレイ後の余韻としてはDream Sky Endより好き。共通Bad4は自ら望んで夢の中へという感じだったが、このEndでは逃れられない白昼夢の中を彷徨い続ける、といった感じだ。うきが最後らへんで伝えた真実も、噓が含まれていたということになり、じゃあ結局真実は何なのか？どこにあるのか？ということが判然としないまま終わってしまった。
幾重もの夢、いうところから恐らく世界層的なのは関係してきそうなので、アノニマスコードへ向けた布石といったところなのだろうか。
来栖編
来栖の秘密には滅茶苦茶びっくりしたし、本作一番のどんでん返しと言っても過言ではない。Trueよりびっくりした。
来栖の秘密は、確実にルートの物語、ひいては作品全体の核心に迫るものだろうなと予想はしていたので、あれやこれやと考えてはいた。キャラについて思い出そうと、Googleで調べていた時に南沢泉理の立ち絵を見つけてしまった時は、「ああ、泉理が生きてるってのを隠してるのね」って結論付けたのだが、半分ぐらいしか合ってなかった。
ミスリードへの誘導も上手いもので、例えば「南沢は病院で拓留を助けてなかったことについて恨んでいない”ということを知っている”」という来栖の実情を、有村の能力のデッドコピーを持っているとすれば表面上は説明できるというミスリードがある。もちろんこれは少し考えればすぐに矛盾には気付く。来栖は”恨んでいない”ことだけでなく、その時の南沢の視界までも記憶していることは来栖の回想で述べられている。有村の能力に視界ジャックのようなものは存在しない。私もこの来栖の回想の時、来栖は一人の人間が受け取る感覚情報全てを覗き見ることができるのでは、と考えていたので、流石にデッドコピーとかいうしょぼいもんじゃないだろ、とはなったのだが、まさか来栖＝南沢とは露にも思わないわ。でもそうすると、南沢に関わるあらゆる謎がすっきりと説明できてしまうわけで。私は全て謎が繋がった瞬間、発狂してモニターぶち破りそうになった（）。
4人の個別ルートの中では一番希望的な終わり方をしたんじゃないかなと思う。もっと滅茶苦茶に壊してくれたほうが私は好みなんだけどな…（）。
True
カオスチャイルド症候群の真実については、驚愕というより爆笑って感じだった。そんなオチありかよっていう。まあでも、カオスチャイルド症候群者が渋谷地震の時のあの白い光に影響を受けた人間なんだから、全員老人でもおかしくはないなとは思う（カオスヘッドやってれば多分分かる）。しかし、ある意味夢オチとも言えるこの展開はどうにかならなかったのかなあと。夢オチは嫌いなので、個人的にはあのどんでん返しは低評価側に立ってしまう。もちろん伏線は張られていたみたいなので、そこに気づけなかった私のおつむが足りなかったという事なんだろうか。
ていうかあんな老人の姿見せられたら、またやろうなんて思えないしLCCなんてもってのほかだよ……久野里はまあ違うが。
それはさておいて、最後のセリフはとても良かった。最初から全てをなかった事にする。尾上世莉架の過去も、かつて過ごした友人も環境も、内に秘めた気持ちも全て。「ううん、知らない人」この一言だけで十分すぎる破壊力だろう。尾上推しの人間は漏れなく精神破壊されたに違いない。
もっとどうにかすることができたんじゃないか、どうしてこうなってしまったんだ、でもみんなそれなりに幸せな人生送ってくれるんだろうな、という心地よい虚無感に襲われる良い結末であった。
- 終わりの余談
気になっている点が一つあって、ゲームパッケージの裏面にある「そして僕は、このくそったれなゲームをクリアした」というキャッチコピーである。ゲームは多分和久井とのゲームのことを指してると思っていたのだが、結局最後までこのフレーズらしきものが出てこなかったので、意味が分からずにいる。単に見逃したか、キャッチコピー中のゲームはニュージェネ再来事件のことなのか、考えてはいるものの納得する結論に至っていない。だれかおしえて。
キャラクターは来栖と有村が好み。でも来栖の中身南沢なんだよなあ……いや南沢も可愛いとは思うんだけどなあ……ビジュアル的にも好みだったのでそこのダメージはでかい。有村はCV三森すずこの寄与がでかい。もちろんツインテールも好きだしおちゃらけた後輩的なのも好きですハイ。
でも結局二人とも老婆なんだよな……人間中身で価値が決まるとは言ううものの、ビジュアル的にも推してたらそりゃあ精神的にきついわ……まあ最終的に現実に帰還してくれたから良かったけど。
科学アドベンチャーシリーズ、次は多分カオスヘッドLCCやると思う。ていうか昨日カオスヘッドノアと合わせてPSP版ぽちった。カオスヘッドもやり返したくなったんじゃ。なんでカオスヘッドもまた買ってんのっていうと、カオヘはPSnowっていう月額ストリーミングサービスでやってて、今はもう加入してないからである。普通に中古ソフト買った方が安いしプレイスタイルに合っていることに気づいた。
あとはシュタゲ無印のPSPも積んでるんだよなあ。いつかやりたいとは思ってるんだが（やらないやつ）。カオチャLCCもいつかやりましょうかね。ラブコメだけじゃなくカオスチャイルドとしてのストーリーもちゃんとあるみたいだし。
