A boiled egg

ぼちぼちいこか

不可解なぼくのすべてを 感想

 MeDu COMICSの漫画「不可解なぼくのすべてを」を読了。全5巻。

 

 この作品はLGBTを扱った作品で、割と真面目なやつである。ちゃんと各キャラクターについて把握出来てないのであれだが、LとGとTは作品内で出てきてたと思う。

 

 それぞれのキャラが抱えてる性自認の問題について、色んな角度で描写してて、性自認が普通の人と(世間的には)普通でない人との対立もそうだが、普通でない人同士でも対立が見えてくるのが面白かった。基本シリアスではあるが、日常パートではびっくりするぐらいゆるふわだったり、とち狂ったようなギャグセンスが飛び出してる場面もある。

 

 ちなみに主人公(1巻表紙の子)は、体は男だが性自認は男でも女でもない、いわゆるXジェンダーと呼ばれるタイプである。主人公は別に女になりたくて女装してるわけではなく、とりあえず男から遠ざかりたいから女装してるので、これは男の娘漫画かと言われると難しい所である。体は男だけど性自認は女で女装してるとか、性自認も男だけど好きな男の子のために女装してるとか、単に可愛い格好好きだから女装してるとかの、他の男の娘漫画でもよく見るタイプのキャラもちゃんと居るには居る。

 

 

 ちなみに、私は2巻の表紙絵がめちゃくちゃ好き。

 

 単純に女の子の泣き顔が好きだから、という性癖全開な理由は無きにしも非ずなのだが、この泣き顔に至るまでのストーリーが好きだから、というのが大きな理由である。

 本編読めばこの女の子がなんで泣いてるのかっていうのは分かるのだが、その理由が切ないんよね。色んな出来事だったり、幼少期の回想だったり、心境の変化だったりを経てこの表情をしたって事を考えると、もうしんどすぎる。個人的にはここ辺りの話が、この作品で1番の激重シナリオだったと思ってる。

 「女の子の泣き顔見るだけで喜ぶ変態じゃないから!」みたいな事上で言ってるけど、その後に激重シナリオで女の子が悩み苦しんでる過程が好きって言ってるから大して違わないね、変態でしたね本当にありがとうございました。

 

 ちなみにこの女の子はレズビアン。百合豚は是非読んでみろ。そして重い展開に精神を破壊されろ。

 

 

 

 この作者の描く絵がめちゃくちゃ可愛くて綺麗で好きだったので、シリアス半分日常半分ぐらいでまた漫画描いてほしいって思ったり思わなかったり。