A boiled egg

ぼちぼちいこか

ブルーアーカイブ Vol.2「時計じかけの花のパヴァーヌ」編 第2章「友情と勇気と光のロマン」

 このブログではブルアカについて紹介したことはなかったが、2021年の4月あたりからやっている(サービス開始は2021年2月)。

 現在やっている唯一のアプリゲーム。バンドリもスクフェスも飽きて全部アンインストールした。

 ブルアカの世界観は、プレイヤーが「キヴォトス」と呼ばれる都市*1に「先生」*2として赴任し、そこで「生徒」と交流を深めていくという至極健全で青春に溢れたものである。一部の生徒が死ぬほどスケベだったり、重火器ぶっ放すのが当たり前の価値観しか持ってない生徒ばかりだったり、生徒の肉体は少し銃で撃たれるぐらいだったらなんてことない耐久性*3であることなどに目を瞑れば、とても健全なゲームなのである。

 

 そんな「ブルーアーカイブ」のメインストーリーは、舞台となる学園や扱う内容ごとにVol.1~Vol.4に分けられている。数字の順番は時系列順ではなく独立しているので、どこから読んでも問題はない。先生が、学園や生徒の抱えている問題をその内容ごとに別個に解決していっている、というような感じ。現在はVol.4までだが、今後の展開次第でさらに増える可能性はあると思う。Vol.1とVol.3は(一応)完結済み。

 

 そして先日、Vol.2の「時計じかけの花のパヴァーヌ」編が約一年ぶりに更新され、第2章「友情と勇気と光のロマン」前編が追加、また12月7日の今日、後編が追加された。更新をずっと待ち望んでいたので、ブルアカ生放送で更新情報が発表されたときは、嬉しさのあまり発狂してしまった。ゲーム開発部の天童アリスが一番の推しです。よろしくお願いします。

 

 ここから先はネタバレを含むので、ブルアカやってるけどまだ読んでない先生はブラウザバックしてもろて、ブルアカやってない人は早くインストールして先生になってストーリー読みましょう。

 

 

前編

 前後編全ての話を読み終えて、「ブルーアーカイブ、めっちゃ信用できる」とまず思った。ただし先生達を一度絶望の底に追いやったキム・ヨンハ、お前は許さない。絶対に清渓川に沈めてやる。

 今回の「時計仕掛けの花のパヴァーヌ」編第2章追加の一連の悪質さ(いい意味で)って、追加直前にショートアニメを公開してるところから始まるんだよね。

 このアニメの日常感のせいで「ゲーム開発部サイコ~。第2章でも元気な彼女達が見れるぞぉ^~」ってなってしまうのがよくない。そのあとの第2章前編追加で、1話で一瞬不穏な雰囲気だすものの、すぐに日常パートに戻るのも罠である。7話で日常が全て崩れ去ったのを悟ったときはガチでしんどかった。モモイが意識不明のままベッドに横たわるスチルでどれほど絶望したことか。あまりの急降下と絶望感にアンインストールしようかなと一瞬だけ思った。

youtu.be

 「とてつもない絶望を味わわせる」というのはエデン条約編でもやってたことだし、そもそもメインストーリーはどれも重い内容ばかりだけど、今回は「かなり力の入ったショートアニメとそのEDとして新曲も追加」「そこでオタク達を喜ばせた後に、本編追加で絶望の底に叩き落す」という流れだったのが悪趣味すぎるのである。こんなのどっかの誰かの毒ガス訓練じゃん。

 

 前編最終話でアリスが言う「アリスは…勇者、ではないから…」もとてつもなく心に突き刺さった。「魔王」であることを突き付けられ、これまで夢見ていた「勇者」を手放す。アリスの人格形成のほぼ全てはゲーム知識からなので、アリス自身そのことにどれほどの絶望感を持っていたのかは想像に難くない。このセリフの前に、勇者の証である「光の剣」の電源を落とされたのもかなりショックが大きかった。そんなにアリスを追い詰めないでくれ…

 これせいで、第2章追加PVの「アリスは、勇者になりたいです!」の意味が180度変わってしまうのだから許せねえよなあ。あとショートアニメ新曲の「わたしたちのクエスト」の歌詞の意味もなんとなく変わって聞こえるようになってしまったし。

youtu.be

 

 タイトルが「友情と勇気と光のロマン」なので、「友情と勇気」で困難を乗り越えてその先にある「光のロマン」を掴んで物語は締めくくられるんやろうな~という期待と、エデン条約編の所謂「ブルアカ宣言」があるからパヴァーヌ編も最後はハッピーエンドであるはずだという気持ちがあったので、なんとか前編の絶望感による自殺は免れた。

 

 

後編

 前編の絶望感のまま年を越す可能性も十分に考えられたので、前編追加の2週間後に後編追加は助かりすぎた。

 

 ストーリーを読んだ先生はお気づきだと思うが、後編のセリフで「ブルアカ宣言」を彷彿とさせるものがいくつもあったのが印象深かった。

・エリドゥ潜入前の作戦会議

モモイ「正直、アリスが「魔王」だろうがなんだろうが、そんな事どうでもいいの!」

モモイ「まともなエンディングですらない!最悪だよ!

・アビエシュフ装着トキとの負け戦後

ミドリ「…こんな…こんなバッドエンドは…絶対…絶対に…!

ネル「んなもん納得できっかよ!!」

 他にもあったかもしれないが、いずれにせよ「ハッピーエンドじゃなきゃ嫌だ!」という想いが「ブルアカ宣言」に通じているなと感じた。

 

 トキがアビエシュフを装着するシーンは本当にかっこよすぎた。装着というかもはや変身。息つく暇なく次々と流れていく変身シーンのスチルが、緊張感を伴った疾走感があり、つまり何が言いたいかというとやっぱりかっこよすぎた。早くトキを実装してくれ。

やべーぐらいかっこいい

発狂しそうなぐらいかっこいい

かっこよすぎて語彙力失った

 チヒロ曰く「最新鋭の演算機能で強化されたその性能は、未来を予知し確定する事さえ可能とする」とのことだが、それってつまり「ラプラスの悪魔」を作ることに成功した…ってコト!?どの課金アイテムをどれだけ購入して、どの生徒をどんな風に育成して編成すれば総力戦でチナトロ入れるかも演算してくれ。

 

 ネルがトキをエレベーターに追い込んだ時のネルの顔、そこまでの流れと合わせてマジでイケメンすぎた。本当にいい顔してるんだよなあここのネル。

 

 エイミがヒマリを助けにきたときのセリフは尊すぎて発狂しかけた。ブルアカは何度私を狂喜乱舞させれば気が済むのか。特異現象捜査部の、エイミはヒマリの言動に半分呆れてるけど能力面では絶対的な信頼を抱いている、相棒的な関係性が好きすぎる。

 

 序盤のユズの「チート相手へのハメ技」のセリフの回収も、どっかで来るとは思っていたがいざ回収されたら激熱だったし、アカネの「私たち、まるでゲームの主人公みたいですね」に至ってはVol.2のタイトル回収と言っても過言ではないぐらい端的にこの「パヴァーヌ編」全体のテーマを表しているように思える。

 

 リオのやり方は感情的には納得のしがたいものだけど、合理的ではあるのは間違いなかったと思う。アリスのヘイローを破壊したら暴走して予期せぬことが起こるかもということは考えられるものの、実現可能性を考えれば破壊することが最適であると判断するのはまあ分かる。ただ、そこで誰の手も借りずに一人で突っ走ってしまうのがリオの強みでもあり弱点でもある、というのはヒマリも言っていたことである。合理的な判断するにしても、勝手に行動して敵を多くしたら、いざこざが増えて結局合理的じゃない余計なことまでやらなきゃならなくなるし。

 エリドゥが、Keyに人格支配されたアリスに乗っ取られそうになった時、自分を犠牲にしようとしたリオに対して、先生が以前のトロッコ問題の会話を引き合いに出して

「レバーを引く人が、見落としたものがあるんじゃないか」

「本当に周囲に手を差し伸べてくれる人がいなかったのか」

「私は、全員で力を合わせて「全てを救う」選択肢を選びたい」

と言ったのは、リオの弱点をしっかり自覚してもらい、今度こそは先生達を頼ってほしい、一人で抱え込まなくても助けてくれる人はいっぱいいる、という想いがあったからではないかと思う。

 

 ちなみにKeyが言った以下のセリフも少し印象的だった

「無名の司祭の要請により、この地に新しい「サンクトゥム」を建立する」

「その到来で初めて、全ての神秘はアーカイブされ―」

 「神秘」というのはここに限らず他のメインストーリーにも出てくるワードで、恐らく生徒がそれぞれ持っている何らかの神性であると考えている。Vol.1とVol.3でその「神秘」を生徒の中から取り出したい的なことを言っていて、Keyあるいは無名の司祭は神秘を抽出し保管する場としてサンクトゥム、即ち神聖な場所を作ろうとしたのではないか。

 Keyや無名の司祭がやろうとしてたのは、明らかに「ノアの箱舟」なので、神秘のアーカイブ化とはつまり大洪水(キヴォトスの滅亡)後のための全ての種の保存ということであろう*4

 いやー、「ブルーアーカイブ」ってそいうことなのかよ。エデン条約編では「私たちの青春の物語」だったじゃんか。

 

 出てくる用語的に、メソポタミア文明がアリスのバックグラウンドの元ネタとして大きく関わってるのは間違いないね。アトラハシースとかエリドゥとかアビエシュフとか。アリスの光の剣もなんか元ネタありそうだけど分からん。私はヒイヒイ言いながらネットで調べたにすぎないので、メソポタミア文明に詳しい先生がいたら是非とも考察聞かせてください。

 

結末

 もう本当に「ブルーアーカイブ、ありがとう」ですわ。キム・ヨンハはやっぱり清渓川に沈める。

アリスの精神世界でのこのセリフすき

モモイ「たとえアリスが魔王だったとしても、そんなの関係ないよ!」

   「そんなの、ただのジョブにすぎない!」

   「自分が誰なのか、それは自分自身で決めるものだよ!」

   「アリスは、ただ自分がなりたいジョブを選んで転職すればいいんだよ!

 「自分の生き方は、自分で決めるもの。誰にもそれを指図できはしない」に通じるものがある。いいセリフですねぇ。この後のアリスのスチルがまた良いんだよね。このシーンで「わたしたちのクエスト」のoff vocalが流れるのがまた憎い。前編最終話後に絶望的な思いで聴いてた曲が、希望の曲として戻ってきてくれた嬉しさがあった。

 

 んでもって、最後は「わたしたちのクエスト」のon vocalが第2章のハイライトと共に流れて締めくくられて、終わった後はひたすらに放心状態だった。気づいたらSpotifyで「わたしたちのクエスト」をリピートしまくってた。

 

 あと、ストーリー読破報酬に「格闘ゲーム機」の家具があるの、エモすぎる。カフェにネルとアリスいれば対戦させられるじゃん。

 

 

おわりに

 これにて「時計仕掛けの花のパヴァーヌ」編は一旦幕を閉じた。アリスの本質的な問題は解決してはいないので、続きは書こうと思えば書けると思う。ラストの先生のセリフが不穏と言えば不穏*5なので、書いてほしいと思っている。

 アリスがまた苦しい目に遭うのを見たくないと思うのも事実。でも私の推しを掘り下げた話をとても読みたい。どうすればいいんだ。

 まあ現実的には次のメインストーリー更新はカルバノグだろうな。

 とりあえずキム・ヨンハはアリスの新衣装を実装させてください。アリス(水着)でもアリス(私服)でもアリス(勇者)でもなんでもどんとこい。そしたら清渓川に沈めるのはやめる。

 

*1:いくつもの学校が点在している学園都市のようなイメージ

*2:「先生」と言っても勉強を教えてるような描写は現段階では全くなく、生徒との関係性・役割的には「指揮官」あるいは「道徳の先生」と呼んだ方が適切である

*3:先生は銃で撃たれれば普通に大けがをする

*4:アリス(Key)の言っていたアトラハシースは、ノアの箱舟の「ノア」にあたる人物

*5:「勇者と仲間たちの冒険はこれからも続いていく—」「そう、いつまでもずっと—」に少し恐怖感を覚えた