A boiled egg

ぼちぼちいこか

漫画「告白~コンフェッション~」感想

 「告白~コンフェッション~」という漫画を読んだ。2001年の漫画。全1巻。

 とっても短いので、暇つぶしにちょうどいい。

あらすじ

 二人で雪山に登山をしていた石倉と浅井は、遭難をしてしまう。石倉は足に怪我を負ってしまい、もう助からないだろうと思われた。

 死を覚悟した石倉は、かつて自身が犯した殺人を告白する。せめてもの罪滅ぼしとして、最期に浅井に聞いてほしかったのだ。

 しかしその告白の直後、浅井は山小屋を発見する。助かってしまった……

 救助隊が来るまでの間の、とてつもなく気まずく、極限のサバイバルが幕をあける。

 

「聞いてしまったあいつが……悪いのだ……!!」

 

殺人の告白によってもたらした、別の意味での最悪の幕開け

 この作品の魅力は、「殺人の告白をした者との二人っきりの閉鎖空間で繰り広げられる、極限のサバイバル」に集約される。ジャンルとしてはサイコスリラーになるのだろうか。

 ストーリーに関しては至極シンプルで、全1巻なのもあってかめちゃくちゃわかりやすい。その分、サイコやスリラーの部分を思う存分楽しめるようになっている。

 もちろんストーリーにも様々な急展開は待ち受けているのだが、ある意味お手本のような展開なので、理解に苦しむことはない。非常に明瞭な物語構造になっているので、読後感はスッキリしたものとなっている。

 石倉が殺しにかかってくるアクション?シーンもシンプルな戦法が多いので、いい意味で頭を空っぽにして楽しめる。戦いがシンプルな分、彼らの心理面が強調されるので、スリラー作品としての側面がより際立っているようにも思われる。

 

 ちなみにこの作品は、2024年5月31日(金)に実写映画が公開予定だ。サイコスリラーとしての狂気じみた雰囲気が、恐らく見どころとなってくるのだろう。

 

最後に、ここから先は、未読勢でも察しのいい人は結末が容易に読めてしまう内容を含むので、これから漫画を読もう or 映画を見ようと思っている人はネタバレ注意である。

 

 この物語の結末は、浅井もとある告白をすることによって、急速なクライマックスを迎える。それによってもたらされる結末が、一番最初のシーンとの対比になっている。それが物語全体の論理を単純明快にしていて、読後感に爽快さを生み出してくれている。

「聞いてしまったあいつが……悪いのだ……!!」