A boiled egg

ぼちぼちいこか

夏ノ鎖感想

監禁系エロゲーの感想です。そういのが無理な方はブラウザバックを。

 

確か去年辺りに買っていたこのゲームを、ようやくインストールしてプレイした。プレイ時間は7時間ぐらい。ノベルゲー進めるの遅いマンなので、当てにならない。他の人は4時間ぐらいで終わってるそう。

 

このゲームのタイトルをどこで知ったかはもはや覚えていないが、監禁・陵辱という点で惹かれたのは覚えている。そういうのいいよね。他の人がどう思ってるかは知らんけど。

 

1.あらすじ

 主人公尾久野晋二は、人生の全てが灰色だと感じている。そんな世界から脱して自分だけの世界を作るために、女を攫って監禁し奴隷にする綿密な計画を立てる。標的になったのは白井美月、晋二の小学校から中学校までの同級生。夢はプロのバイオリニスト。話した事は全くなかった。ただ計画のピースとして最適という理由だけで美月を選んだ。台風の近づくある夏の嵐の日、晋二はバイオリンのレッスンから帰る途中の美月を攫って地下室に監禁する。

 

以下ネタバレ有

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  • 逮捕エンド

 ある日晋二は、美月の服を調達しようと美月の実家に忍び込む。その時美月の父親に見つかり、慌てて逃走。一度捕まりそうになりながらも、なんとか地下室までたどり着く。その後倒れてしまった晋二を介抱したこと、日頃の美月の微かな行動からバイオリンの夢を諦めていなかった事に気く。美月の心が全く折れていなかった事に気づき、自分を惨めに思った晋二は美月を解放し、自身は自殺を図る。しかし、美月の通報によって晋二は一命を取り留める。

 数年の懲役刑の後、晋二は美月の父親の用意した保護司の監視の下、真っ当な人間となり、タクシードライバーとして生活していくことになる。美月はトラウマを乗り越えバイオリニストになる。過去を死ぬほど悔い、美月の前に姿を現す資格すら無いと思う晋二だったが、ある時客として美月を乗せる。しかし、美月は何も気づかないまま、目的地にたどり着くと料金を支払いそのままタクシーを降りていった。

 

  • 奴隷エンド1

 実家から服を盗んで地下室に戻った後、美月を徹底的に陵辱する。中出しをしまくった結果、妊娠する。晋二は、更に女を攫う計画を立て、自分だけのハーレムを作ろうとしていた。

 多分そのまま子供産んでハーレム作って終わり。

 

  • 奴隷エンド2

 実家から服を盗んだ後、美月を従順な奴隷にするために、飴マシマシの飴と鞭で美月を教育する。そして、従順な奴隷が完成した。大学進学時に、新しいマンションに美月を運び込み、そこで新たな生活が始まる。

 

  • 自殺エンド(BADエンド)

 美月を痛めすぎたために、殺してしまう。計画が台無しになってしまい、絶望した晋二は自殺する。

 

  • トゥルーエンド

 美月を攫うその瞬間、一瞬逡巡してしまう。そのせいか、美月に顔を見られてしまう。どうすればいいか分からなくなり、現場から逃走する。結局拉致監禁の計画は未遂に終わり、晋二は高校卒業後地元の工務店に就職する。数年後、中学の同窓会で美月と再開する。美月にとっては、あの嵐の日にいたただの青年であり、それ以上でも以下でもない。少し話をするが、美月の友人が美月を呼ぶと、「それじゃあ」と言って別れる。 

 

 

2.感想

普通にいい話だった。監禁ものでいい話と言うのは、お前の性癖歪んでんなと思われてしまうだろうが。まあ奴隷エンドみたいな堕ちちゃってるのは好みではないが。拒絶する女の子が好きやねん。

 ちなみに、私は逮捕→自殺→奴隷1→奴隷2→トゥルーの順だった。トゥルーは全ルート解放後出てくる。

 

 私の文章力では伝わりづらいと思うが、逮捕とトゥルーは心地よい虚無感があって非常に好ましい。

 逮捕エンドは、小中でも認識されずタクシーでもあの時の犯人と気づかず、美月にとって晋二はあの夏の日で止まったままであり、それをとっくに過去のものとして克服している。晋二は路傍の石に過ぎず、監禁しても、結局乗り越えて路傍の石程度の認識になってしまう。そんな無力感が心地いい。

 トゥルーは、嵐の日に会ったということ以外にお互い共通の思い出はない。「それじゃあ」と軽く言ったら、それ以上の関わりは今後一切無い事を思わせるような虚無感、計画を実行出来なかった無力感、もしあの夏の日に戻ってやり直せたら、あるいはもっと過去に戻って彼女と普通の関係を築けたら、という郷愁感に近い感情を一気に感じる。

 結局の所、監禁が実行されようがされまいが、その出来事はあの夏に取り残されたままであり、その事によって晋二と美月の2人が今後も関係を持つ事はないのである。晋二のしたことは結局何も意味がなかったという絶望さえ感じる。

 

まあ感想を一言でまとめるなら、「何をしてもしなくても名前のない石ころにしかなれない虚無感が心地いい」だろうか。

 

3.「夏」という舞台設定について感じたこと

 やはり夏という舞台は、ベタでありながらも、様々な感情を呼び起こしやすいと思える。夏休みの長期休暇でダラダラと過ごしてきた人間にとっては、何もしてこなかったという虚無感と共にあの夏に戻ってやり直したいという郷愁を感じる者がいるだろう。また、蝉の五月蝿さや夏の海水浴場の波の音、夏祭りの騒がしさを想像出来るならば、当時は五月蝿いと感じていたあの音が、今はたまらなく聞きたいと感じる者も多くいると思う。まとめてしまえば上に挙げたやつはほとんど郷愁感と呼べてしまうのだが。そういう感情を引き出し、感動させやすくするという点で、夏というのは非常に便利であるという事が少し言いたかった。

 でも記号的に積乱雲とか出されるとちょっと萎える。ここぞというシーンで、最終手段として使ってほしい。

 

4.最後に

このゲーム、監禁だしスカトロや食ザーもあって、正直エロシーンは幾つかキツかった。しかし、監禁、夏への郷愁、黒髪ロングの3つが好きな人間にとってはおすすめできる作品である。