A boiled egg

ぼちぼちいこか

ゲーム「8番出口」レビュー・感想

 Steamで2023年の11月29日に配信されたゲーム「8番出口」をプレイした。プレイ時間は短めで、長くても2時間ぐらいで終わると思う。

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 内容は至ってシンプルで、無限に続く地下通路があり、そこの様子がいつも通りなら「進む」。少しでも様子が違えば「引き返す」。それを繰り返すことによって、プレイヤーは0番から8番までの通路を通って、最終的に地上に出ることができる。進退の選択を途中で間違えると、また0番からやりなおしになる。

 つまりこのゲームは、一言で言えば「間違い探しゲーム」である。

 ゲームの雰囲気としては、「The Backrooms」のようなリミナルスペース、すなわち簡素・単調であるが故の不気味さや、超現実的な感じである。実際に、このゲームの紹介文で、

「8番出口」は日本の地下通路や、リミナルスペース、バックルームなどにインスパイアされた短編ウォーキングシミュレーターです。

と書かれている。

 「The Backrooms」と比べて、エンティティみたな化け物はほぼいないが、ある程度の不気味さと、少し心臓に悪そうな演出がちょっとだけある。

 視点は一人称で、できる操作は「歩く」「走る」「視点移動」。以上である。めちゃくちゃシンプル。間違いがあるか、ないかをプレイヤーの進退だけで選択するゲームなので当たり前だが。

 私はほとんどFPSとかをやらないので、最初の数十分は画面酔いしたが、激しくグリグリと視点を動かす系のゲームではなかったので、すぐに慣れた。

エイペックスとかは多分一生慣れないと思う。チュートリアルの時点で吐き気が限界に来て無理だったので。

 

 間違い探しの難易度は、ほんのわずかの違いを見つける、というわけではない。誰の目で見ても明らかに違う間違いしか出てこない。ちゃんとその間違いに目を向けていないと気づけないものもあるが、いずれにしても意地悪な間違い探しは出てこない。

 私は、どうしても一つだけ気づけなかった間違いがあったのがめちゃくちゃ悔しかった。攻略サイト見てもなお、ちゃんとそこに注視してもなお、その間違いを見つけることは一度もなかった。ただ、「全ての異変を見た」という実績は解除されたので、私の知らないうちにその間違いが出てたという事だ。バカにされてるみたいで、やっぱりめちゃくちゃ悔しい……

 

 ゲーム実況者とかがこぞってプレイしてるらしいので、そこで間違い探しの全パターン見ちゃうとかも、まあいいんじゃないかな。大体1時間ぐらいで終わるゲームだから、実況者側としても視聴者側としても丁度よさそう。

 自分で間違い探ししたい!って人は是非自分でやってみよう。500円もかからずにプレイできるぞ。

映画「栗の森のものがたり」感想

 先日の12月1日は「映画の日」で、映画が1000円で観れる。私は毎年、面白そうな映画があれば観るようにしている。今年は「栗の森のものがたり」という映画を観た。

 2019年のスロベニア映画で、日本では2023年10月7日に公開された。

 舞台となるのは、1950年代のイタリアとユーゴスラビアの国境付近の小さな村。そこには豊かな栗の森があった。しかし、第二次世界大戦後の政情不安により、多くの人々は村を離れ、すっかり寂れた場所となっていた。

 栗の木で棺桶を作るのを生業としていた老大工“マリオ”、村から離れ夫の元へ行くことを夢見る栗売りの少女“マルタ”。ある時、マルタが川に栗を流してしまい、マリオがその回収を手伝ったことによって2人は出会う。2人はこれまでの境遇を語り合い、その中でマルタは村から離れる決心をする。出会いによって紡がれる2人の寓話は一体どのようなものなのか......

概ねこのようなストーリーである。

 

 マリオはこの先の人生は長くないことを悟っており、ある一つの心残りはあるが、とにかく陰鬱な雰囲気を醸し出している。一方で、マルタは夫の待つ地を夢見ており、希望に満ちた様子を纏っている。その「明と暗」の対比が、物悲しい調度品や時折挟まれる歌や踊りなどによって、明瞭に浮かび上がっている。

 作中の音楽ではしばしば、不協和音的だったり恐怖的な音楽が流れることがある。これは、2人のいる小さな村が不安定さ、寂しさの中にあり、彼らの生活そのものもまた、そうであるかのような印象づけがなされているように思われる。今の生活が崩れ去るかもしれない緊張感とはまた違う、曖昧な空虚さがこの映画全体に蔓延しているような感覚である。しかし、軽快な音楽が流れる場面もあり、それはこの物語での「明」の部分として、喜劇的な作品でもあることを印象づけている。特にこれはマルタに関わる場面でよく出てくるので、彼女が喜劇側にいることをよく理解させてくれる。

 作中の演出は、空虚の中にある人々の生活や思いを描くことに徹底しており、セリフが多くはない。一切喋らずに終わるシーンもあり、「このシーンの我々の中での意味はあるけど、それは言語化しないよ。勝手に想像していいからね」というのがひしひしと伝わってくる。そういう作品は、いい意味で勝手に、適当に解釈しながら観れるので、嫌いではない。難しく考えすぎながら観るのはあまり好きじゃないので(考察系のSF作品とかは別だが)。

 また、演出として、夢の中であったり回想だと思われるシーンがよく挿入される。現実の出来事の順序も時系列順ではなくかなりバラバラなので、ストーリーの理解にかなり苦しむところもあるが、それがむしろ作品全体に蔓延る曖昧さ、不安定さを浮き彫りにしている。

 海外特有の価値観、習慣によるものと思われる描写は、少し言葉を足して欲しかったかなとは思う。この映画の監督・脚本・編集を手がけたのは、スロベニア出身のグレゴル・ボジッチという方らしい。スロベニアやその周辺地域の死生観が関わっていると思われる展開があるのだが、説明がほとんどなく、全く分からなかった。まあ、その辺の価値観について既に知っている現地の人からすれば、詳しく説明してしまったら興醒めになるはずなので、セリフは必要最小限だったのだろう。日本人とか、価値観をよく知らない人にとっては言葉足らずだなあと感じるだけで、知りたきゃ調べろ、その情報は映画の中で語る必要はない、ということである。

 全体を通して、陰鬱で、しかしその中に一縷の光もあり、そして夢の中にいるような曖昧な構成となっているのが、この映画の特徴と言えよう。人によっては内容がよく分からずに寝てしまう場合もありそうだが、それは「夢の中のような曖昧な作品」という趣旨によく合致した結果とも言える。

 あまり深く考えずに、「寂しい田舎村で2人の空虚な人生があったんだなー」ぐらいの感覚で観るのがちょうどいい。この記事の冒頭にも、各種映画サイトのあらすじにも書かれているが、この物語はとある村で紡がれた小さな寓話、すなわちおとぎ話である。おとぎ話を難しく考えながら観る必要はない。

 暗い話を、なんとなくで観たい人は是非観てみよう。

スマホでの写真撮影が主流のご時世、カメラを買ってみた

 「写真を撮る」と言えば、今や多くの人がスマホで行う事だろう。

 もちろん、一眼レフ等で高画質の写真を撮るのにこだわっている人も、まだまだ多くいる。

 が、いずれにしても「ちょっとした風景・日常を残したい時は、スマホでサクッと撮影」という世の中になっているのは、間違いではないはずである。

 

 そして、私は今回カメラを購入した。初のカメラ購入である。

 一眼レフ等ではなく、コンパクトデジタルカメラを買った。SONYのRX100Ⅲというモデルのものである。最新モデルでもなんでもなく、10年ぐらい前のやつで、Amazonの中古で4万6000円ぐらいで買った。かなり安かったので傷等はある程度ついているが、動作は問題ない。

カッコつけてネックストラップも買っちった。そして本体がちっこい。

 私がカメラを買おうと思ったモチベーションは、二つあった。

 まず一つが、私の所属する大学院の授業や研究の調査の関係で、山などに行くことがしばしばあり、そこで地層や鉱脈、各種ジオスポットを見ることがあるからということ。スマホでもまあまあのものは撮れるが、やはり撮影に特化した機械には劣る。地層や鉱脈の構造が微細である場合などは特に。また、山の中ですぐに日が落ちたりすると、露頭だと周りは街頭もほとんどない環境になってしまうし、明かりのある施設の写真でも、スマホの夜景モードで撮ってもたかが知れるものしか撮れない。

 二つ目に、旅行やイベントなどで普段行かない場所での写真を撮った時に、その写真が若干粗くて残念に思うことが、ままあるからということ。

 一つ目にしても二つ目にしても、超高画質の写真は求めていないにしても、それなりに綺麗な写真を撮りたいよなあと、常々思っていたわけである。ちなみに、今私が使っているスマホは「OPPO A73」というスマホである。1年半ぐらい前に、中古で1万4000円ぐらいで買った。

 

 「カメラの性能がめちゃくちゃ良いスマホ買えばよくない?」「下手に安い/古いデジカメ買うよりいい写真撮れるかもよ?」みたいなことも考えたのだが、私はスマホにそんなお金をかけたくないし、スマホに高性能カメラを積もうという気持ちもあまり湧き上がってこなかった。スマホはあくまで「連絡・軽いネットサーフィン・簡単な写真記録」として使いたいのである。あと、「自分用のカメラを持つ」というのが、撮影へのモチベーションやテンションが非常に上がると思ったという、とても単純な理由もあったりする。

 そんなこんなで、「普通のスマホよりかは綺麗な写真が撮りたい」「今のところカメラ沼にハマる予定はないから、そこそこの性能でなるべく安価で」というところで、コンデジのRX100Ⅲを購入したというわけだ。いきなり一眼レフに行くというのも一瞬考えたのだが、モチベーション的にもお財布的にも、今はそこまでには到達していない。

 正直、カメラに関する知識は皆無なので、このカメラがスペック的にどこら辺の立ち位置にいるのかはよく分からないが、発売から約10年経った今でも、デジタルカメラの中では根強い人気を誇っているらしい。

 SDカードの容量は、とりあえず32GBを1枚しか買っていない。買おうと思ったきっかけとなった「大学院の授業や研究」「旅行やイベント」以外では、基本的にこれまで通りスマホで済ますつもりである。容量余らせまくったらもったいないし、ひとまず32GBにしておいて、足りなくなったら買い足せばいいかなと。

 頻繁、かつ長時間使うつもりもないので、予備のバッテリーも買ってない。モバイルバッテリーを併せていればいいかなって思ってる。まあこれも、今後の使用状況次第やね。

アニメ「幻日のヨハネ」感想

 2023年夏アニメの「幻日のヨハネを見た。まだ前クールのアニメを見ているという現実。

 このアニメのコンセプトは「もしラブライブサンシャインの舞台を異世界にして、ヨハネを主人公にしたら」というもので、元々はエイプリルフールネタであった。それがまさかの本当にアニメ化してしまい、挙句の果てにはゲームも出るという始末。文字通りの「噓から出た実」である。

 ヨハネ推しの私的には、彼女がメインのアニメは非常に嬉しくはあった。キャラの作画がめちゃくちゃ可愛くて最高だった。

公式サイトのキャラ紹介に載ってるこの顔、可愛すぎ問題

 ストーリーは、都会で歌手になることをあきらめて沼津に帰ってきたヨハネが、街の人たちとの絆を育み、成長していく的な内容である。アニメ1期5話を、1クールかけて異世界風にやったと言えば、分かりやすいだろうか。

 基本的に歌に特別な感情を抱いているのはヨハネのみだが、なんやかんやで他の8人も一緒に歌う場面がしばしばある。その辺のご都合主義は、ラブライブシリーズ開始以降の伝統芸能みたいなものなので、今更気にならないが。ただ、街の異変の原因はほぼ全く説明されずに終わったのは、流石に釈然としなかった。

 設定がかなり曖昧なまま終わるので、異世界ものとして見るとこのアニメはかなりつまらないものだと思う。あくまでラブライブ」のご都合主義を受け継いでいるアニメであることを念頭に入れて見るべきである。「このキャラが可愛い~」ぐらいの脳みそでしか、まともに視聴することはできないだろう。

ゲーム「GINKA」 感想

 Frontwingより、2023年10月26日に発売されたノベルゲーム「GINKA」をプレイした。プレイ時間は12時間ぐらいだっただろうか。

あらすじ

幼なじみの少女・銀花は、夏祭りの夜、”神隠し”にあって消えてしまった。

 

あれから5年。

高校生になった青羽流星は、フェリーに揺られ、
ふらりとひめ島へ帰ってきた。

確かめたかった。銀花はあれから、どうなってしまったのか?

もしかしたら、何事もなかったように家へ帰っていて、
島の高校に通いながら普通に暮らしているんじゃないか……。
そんな淡い期待は裏切られる。
あの夜からずっと、銀花は行方知れずのまま。

失意に沈み、再び島を離れようとする流星だったが、
そこで不思議な再会をする。
目の前に現れたのは、
あの頃の姿のままの少女――ギンカ。
自分の名前さえ忘れてしまったギンカ。

覚えているのは“リュウセイ”の名前と、
彼を好きだという恋心だけ。


今までどこにいたのか?
なぜ、幼い姿のままなのか?

 

おだやかに時間の流れる小さな島で、”神隠し”から帰ってきた幼なじみ少女と過ごす、おとぎ話のような夏休み。

(公式サイトのあらすじより)

 つまりは「小さな島でのあの夏の思い出を、幼なじみと似た少女ともう一度」っていう感じの物語である。メインイラストを手掛けたゆさの氏の清涼感溢れるキャラがめちゃくちゃ可愛い。ギンカの可愛さで心臓が止まってしまいそう。

 ちなみに、「シナリオ:紺野アスタ、イラスト:ゆさの」の組み合わせは、Frontwing&枕のノベルゲーム「ATRI -My Dear Moments-」と同じである。こちらのゲームも神作品なのでプレイしろください。これからGINKAの感想書く上で言うのもアレだが、正直ATRIのストーリーの方が私は好き。

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キャラ達の所感

・主人公(青羽流星)

 若干お調子者感がある。私は好き。程よく、口直しぐらいの感覚でギャグが挟み込まれる感じがして、ダレることなく読み進められた。それが行き過ぎてしまってる所もままあるかなと思わなくはないが。

 

・ギンカ

 可愛い。ゆさの氏が描く銀髪ロングの碧眼ロリ、透明感の権化って感じで素晴らしい。ワンピースなのかセーラー服なのかよく分からない服がcute。ふわりと広がっているスカートが、清楚なお嬢様そのもので美しい。とにかく可愛い。

 流星から借りたクソダサTシャツに書かれた「はいすぺっく」の文字、そして意気込んだ時の口癖「フンス!」で「ATRI」を思い出して涙腺崩壊。世界観は共有してない(多分)ので関係は無いだろうが。

 

・謎の少女

 ギンカが成長した姿のように見える(公式サイトのキャラ紹介にもあるのでネタバレではない)。成長したギンカ?もめっちゃ可愛い。真剣持ってる姿が凛々しい。カッコ可愛い。結婚してくれ。

 

・ひまわり

 島を出て、都会でインスタフォロワー100万人のギャルになりたい中学生。島の学校に制服はないので、外の学校の制服を取り寄せて、アレンジして着てるらしい。コスプレイヤーの素質あるよキミ。

 

・涼代リン

 おっぱいがでかい。へそがエロい。ズボンは右半分はダメージジーンズ、左半分はショートパンツみたいなよく分からんやつ着てる。まあエロいのでヨシ!

 

・荒羅伎なずな

 学校の先生。おっぱいがでかい。古武術の達人。でかいおっぱい押し付けられながら関節極められて死ねるなら、殺されてもいい。

 

・七守草二

 流星を子供の頃からライバル視してきた奴。でも真面目で良い奴。ホモ展開(らしきもの)が一瞬あるの助かる。

 

ストーリー所感

 5年前に失ってしまったもの、できなかったこと、伝えられなかったことを取り戻していくその過程が、愛おしく、切なかった。ストーリーの全てを読み終わった時、短く、しかし濃いひと夏の夢を振り返っていたような感覚にもなった。大人になった今、子供の頃の夏休みの出来事を振り返って、郷愁の念に駆られるのに似ている。

 取り戻していったのは、決して流星と銀花の間のことだけではなく、他の島民同士との思い出にもある。まあ、ほぼほぼ流星と銀花のラブストーリーではあるのだが。でも、流星と草二のホモシーンは必見!(ではない)。あと、流星がリンにNTRされるシーンも必見!(ではない)。

 ともあれ、流星が5年前の夏に置いてきたものを取り戻し、さらに新たに得たものを持って、彼がどういう未来を手に入れたのかという、非常にシンプルなテーマでこの作品は描かれている。シンプルであるが故に、重要なシーンでの主張が伝わってきやすく、心打たれる。「何が何でも、あの頃失ったものを取り戻すんだ!」という意志が分かりやすいので、読解力ゴミの私でも難なくプレイすることができた。

流星が色々取り戻す~」という、かなり流星主体で繰り広げられるので、若干「他のキャラの持つ想いが少し薄くない?」と感じなくはなかった。リンや草二、なずなとかは、もうちょっと掘り下げてほしかったキャラである。

 

 CGイラストがとにかく可愛い。再度言うが、ギンカの立ち居振る舞いの透明感たるや、目がつぶれてしまいそうである。例えば海水浴とかビーチバレーとかやるこのイラスト

 ギンカの水着姿カワEEEEEEEEEEEEEEEE!!!!!!!。清楚な色合い、装飾の水着に見え隠れする無垢な肉体の程よいエロさがUWAAAAAAAAAAA!!!!

 リンの水着もなかなかではある。胸は言わずもがなだが、特に鼠径部のラインがバッチリくっきり見えるのエロ過ぎる。

 

 真実に迫り、様々な出来事に遭遇していくにしたがって訪れる、夏の終わりの予感は、ひどく切なかった。舞台となる季節が夏だからこそ、できることである。

 この物語の結末は、二人の少年少女の物語であることを考えれば、未プレイの方にも大方想像はつくだろうが、そこに至るまでに何を想い、何を捨て、得たのかには、この物語ならではの部分が確かにある。神様と初代巫女と、その後の話とかが、私は特に印象深かったかな。

 

 結論、ギンカがどちゃくそ可愛い。銀髪碧眼美少女と幼なじみになって、楽しい夏休みの思い出を作りたかった。よし、今から離島に引っ越して、過去にタイムリープしてくるか。なお、肝心の銀髪碧眼幼なじみのアテは無い模様。

あと、日本の夏って基本的に湿気でジメジメしてるから、ギャルゲーみたいな透明感・清涼感のある体験がかなり難しいってのも問題なんだよね……

アニメ「無職転生 2期」 1クール目 感想

2023夏アニメの無職転生」の2期、1クール目を見た。

ルーデウスがエリスに振られたと思い込んでから、お〇んちんの不能に悩まされる中で話は進んでいったが、それに心が折れていくルーデウスを見ているのが純粋にしんどかった。

普通のラブコメならギャグ的に扱われるところだが、このアニメはセックス等の性的行為を、単なるスケベではなく愛情表現の一つとして丁寧に、官能的に表現しているために、印象は全く異なるものとなっている。セックスがなくても愛し合うこと自体はできるものの、自分の意志とは関係なく愛情表現の一つの手段が断たれてしまうのは、精神的なダメージが大きかろう。私は童貞だから知らんけど。

 

最終的にはシルフィと肉体的にもちゃんと繋がることができて、本当に良かったと思う。媚薬を使ったとはいえ、それだって愛を確かめるためのれっきとした手段の一つである。

普通だったら「スケベだー!!エロスギィ!!」と騒ぐエロガキになってしまうところだが、このアニメだと「本当に良かった、良かったねルーデウス……(´;ω;`)」となるのは、やはりエロに対する表現の違いが如実に表れているのだろう。約1名、ただのビッチはいるが……

正直、1クール目の最後の最後まで、彼の不能は治らないと思っていた。セックス直前で酒が入ったコップが倒れるのは、1期ラストのエリスとの行為との対比であろうが、エリスの時と違い酒がこぼれてはいかなかったので、「酒を破瓜の血の隠喩と考えれば、もしかしたらシルフィではやっぱり勃たない?」とも思っていた。まあとにかく勃ってよかったね。

 

ただ、この後ルーデウスがエリスと再会して、エリスの本心を知った時、超絶しんどい展開が待ち受けているであろうことは想像に難くない。エリスも半分悪いところがあるが、多分ルーデウスへの非難が集中砲火する展開になりそう……

「シルフィと結婚します」って言ったものの、最終的にどうなるかはまだ分からなさそう。原作読むか悩みどころですね。

 

異世界転生・転移の新たなパターンも出てきて、そこに関する世界の成り立ちの解明も徐々に次のステージに移りつつある。とりま2クール目を楽しみに待つとしますか。来年の4月かよ、結構空くな。

ゲーム「まいてつ」 感想

Loseより2016年に発売されたアダルトゲーム「まいてつ」をプレイした。続編にあたる「Last Run!!」は今回プレイしていない。

 

・あらすじ

舞台は、御一夜という場所。この世界の日本では鉄道は衰退し、代わりに「エアクラ」と呼ばれる乗り物が移動手段の主要となっている。そのような時勢の中、御一夜にもエアクラ工場建設の誘致計画が立つ。主人公らは、工場建設によるデメリットを強く感じ、誘致反対の旗印として鉄道の復権を図る。といったストーリーである。

蒸気機関車8620を制御する専用レイルロオドであるハチロクは、大廃線に伴って長い眠りについていた。
ほんの偶然から彼女を目覚めさせた、鉄道事故被害者である青年・右田双鉄は、ハチロク、義妹で絵描きの日々姫、市長で社長のポーレットらと、
それぞれの目的のため、行方不明になっている8620の捜索を開始する。

(公式サイトの共通ルートあらすじより)

実際の地名としては、熊本県人吉市が元ネタに当たる。人吉市とのコラボで色々と企画もやったことがあるようだ。

 

・全体的な感想

 良かった点

それぞれのキャラが、鉄道や御一夜という場所に対してそれぞれの想いを抱いており、そのために生まれる葛藤や対立、その先にある進歩に向かっていく、というのがどのルートでも終始一貫して行われている。「叶えたい夢・乗り越えたい過去がある人々の物語」であり、それが鉄道を軸として回っている。挫折とそこからの復活、夢への邁進の物語、良いですねぇ~

「鉄道」をテーマにした作品であり、私は鉄道は全くの素人なので、様々な専門的な事物に興味深さを感じながらプレイすることができた。専門的と言っても、ガチの鉄オタにしてみれば大したものではないかもしれないが、その雰囲気自体は十二分にある。

例えば蒸気機関の仕組みなんかはボイラーのものと似通っているのだが、2級ボイラー技士の勉強をしたことがある私にとって、「ボイラーのあの機構が蒸気機関車ではそうのように使われているのか」と、鉄道に対して身近さを感じたものである。

ボイラー技士云々の話がなくとも、知ってる用語・知らない用語がバランスよく、かつほどほどに出てくるので、ストレスなく気楽に鉄道の知識を得られるのは良い点である。

ゲームシステム的な話。

このゲームはエロゲであるのだが、Hシーンは本編には入ってこない。物語の節目でHシーンが追加され、メニューから場面鑑賞で見ることができる。

このシステム、非常に素晴らしいと思う。エロゲのエロを重要視する人にとっても、しない人にとっても、エロに邪魔されずにストーリーに集中することができる。人によっては、エロは箸休め的な役割を果たしてて重要だ、という意見もあるかもしれないが、シナリオゲーではエロの箸休めは絶対にいらないんじゃないかな……

まいてつには全年齢版もあるので、1ミリもエロがいらない人は、そっちやれば良いと思う。私みたいに、エロは見たいけど本編中にはいらないって人にとってはベストなシステムであるってだけなので。

 

 あんまり良くなかった点

このゲームの性的な倫理観は時々狂っている。エロゲだから多少狂っている方が、エロに持っていきやすくていいのかもしれないが、それにしても狂っているなあと思う所が多少ある。

一番は、レイルロオドの「シーリング」が解放されるというものである。端的に言えば、レイルロオドが男性に恋をするとセックスできるよ!って感じのシステムなのだが、いやそれいる? 作中で明言はされていないが、「シーリング」とはすなわち「処女膜」のことだと思う。わざわざその設定作る必要あったか?そんなものなくても、なんやかんやでセックスしてくれれば、それで良かったんだがなあ。

本当にすまないが、処女厨の考えた気持ち悪い設定としか思えない。私も童貞であるのであまり人のことは言えないが、まあ処女や処女膜へのこだわりはそこまでじゃないよ……

 

あとは、「凪&ふかみルート」とかいう一夫多妻ルートがあるのもなんだかなあと。世のエロゲにはハーレムルートがあるゲームなんて、ごまんとあるだろうから今に始まったことではないのだが、それでも恋愛観が違くて好かんなあと私は思う。まあ、このルートの恋愛観は他のルートとは少し異なるのは事実であるのだが、それにしても受け入れがたかった。

ふかみがかなり好きなので、その分ダメージも大きかった。でもやっぱりふかみはめっちゃ可愛いのは揺らがない。

グランドエンドも似たような方向性なのだが、まああれは良いかな。そうなるしかないよなって感じで、納得はできる流れだったので。

 

・終わりに

「まいてつ」というゲームは、鉄道を中心として物語が展開していき、またそれを軸としてキャラ同士の繋がりとその発展も見ることができるという点で、一つの物事に突き動かされていく人々を眺めていく物語である。

エロの倫理観とかは多少言いたいこともあるが、それを差し置いても本編の内容はすばらしく、また心温まる物語になっている。

続編にあたる「Last Run!!」もいつかやろうと思っているのだが、評価は二分しているらしい。また、それに関してエロゲ―批評空間の方で色々と問題があったらしい。それが原因かは分からないが、このゲームを手掛けたLoseは解散している。

うーん、どうすっかな……