A boiled egg

ぼちぼちいこか

天気の子感想

新海誠監督の最新作「天気の子」を公開当日に観た。実は、観ようと思って観たのではなく、一つ目のバイトと二つ目のバイトの間隔が微妙で、家に帰るのもなーとなってる時に、そういえば今日はアレの公開日じゃんという事で暇つぶしに観たというわけだ。

別に興味が全く無かったというわけではないが(そもそも興味が無かったら暇つぶしにしようとすら思わない)、「君の名は。」観てストーリーが個人的になんかアレだったので、なんだかなーと思っていたのだ。(私は新海誠の作品は、天気の子以前には君の名は。しか観ていないのである。とんだにわかぶりである。あとは、秒速五センチメートルのタイトルの意味ぐらいしか知らない)

 

観る前の人間にネガキャンするのもアレだし、良かった点を挙げるとすれば、

 雨や雨滴の描写が美しい。作品のテーマに沿った力の入りを感じる

がまず一番に来る。観る人のほとんども作画の綺麗さを目的に観に来るだろうし、絵の美しさはやっぱり外せない。

 

そんなこんなで、ネタバレ要素無しの文章書くのもそろそろネタ切れって感じなので、以下ネタバレ有りで進めます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

まず、全体的なストーリーだが、ぶっちゃけた話、尺の半分ぐらいでほぼ展開読めた。そして読めた展開以上の盛り上がりが全く無かった。具体的にどこで分かったかと言うと、占いの婆さんの「力を使いすぎると神隠しにあう」というセリフ。

この時点で、陽菜が雨を晴れにする力を使いすぎて、消えて、帆高が愛の力で陽菜を救うんですね分かります、ってなった。後から、生贄的な話も加わったけど、消えるという前提自体は変わらなかった。

首元のチョーカーは、外れるシーンまで気づかなかったが、晴れ女の象徴であったのだろう。冒頭の病院のシーンではチョーカーがついてなかったし、神社で、初めて晴れを祈った時に晴れ女になったのだと思われる。

あと、雨の魚については、雨の神様的なやつ(名前忘れた)の使いか、あるいは神様そのものではないかと考える。劇中のセリフで「雲の中には湖一つ分の水量があって、独自の生態系があってもおかしくない云々」とあり、また、晴れ女の生贄の下りで、雨を司る神様的な話もあった。雲の中に住む生き物を神様が使役、あるいはあの魚は神様が分裂した、神様そのものどちらかと考えられる。

雨の神様の姿については、男子高校生が路地裏でずぶ濡れになるシーンで出てきた、人の形をした水の塊がそうではないかと考える。魚形は予備形態で、人形が本体、みたいな感じだろうか。とにかく、下界に来て、地上のなんかのパワーを吸収してるように見えた。陽菜が生贄になったことから、晴れの気でも吸い取って雨の気にでもしていたのだろうか。

話題は大きく変わって、メイン二人の人間関係についてだが、陽菜が弟と二人暮ししてるのは、親が死んで金銭的に苦労しているという事で、まあ分かる。帆高は、東京に来た理由が、実家が嫌で出てきた以上の情報が無くて、あまり感情移入できなかった。実家が息苦しいにしても、何がどんなふうに息苦しかったのかぐらいは描写してほしかった。男女二人のヘテロにしか興味ないんですかね。ヘテロやめろ。

ちなみに、陽菜は年齢を偽っていたわけだが、ここの設定はめっちゃ好き。年齢偽るきっかけは帆高ではないにしろ、年上の人間に年齢偽ってお姉さんぶっていたと知った時は、好きな異性に背伸びしたがるガキか可愛すぎってなった。やっぱりヘテロが好きなんじゃないか自分。前作の話になるが、君の名は。の時は三葉可愛いと思えずにひたすら四葉を推していた。実際ネット上にも似たようなオタクは沢山いたし。しかし今作のメインヒロインは、年齢偽ってお姉さんぶる、神のごとき性質を持ったJCである。陽菜、年上の異性を呼び捨てにするのはやめなさい、無礼です(好き)。帆高、本当の年齢知っても敬語やめないのなんでだよ、なんで年下の異性にうやうやしい態度取り続けてんだよ(好き)。やっぱりヘテロじゃないか自分。

とまあ突然のヘテロ狂はこの辺にしといて、作画の話もする。作画は、冒頭でも述べたように、雨のシーンがとても印象的に作画、演出がなされていた。雨から晴れになる時はゆったりと柔らかく、晴れから雨になる時はバケツを急にひっくり返したように。今作では、晴れは「柔らかく暖かい、優しい現象」、雨は「冷たく重く、威圧感のある現象」として表現されているように感じる。

また、雨滴の作画は特徴的で、顔に付く一つ一つの雨滴が大きくモチっとしている。ジブリ作品とかで見るような感じの。ジブリの方がもっとモチっとしてる感じだが。

 

ストーリーは特に面白いとは思わなかったが、絵が綺麗だし陽菜可愛いし陽菜のマックのクルー姿可愛いし私服姿も可愛かったので、目の保養にはとても素晴らしい映画である。

 

ちなみに、ストーリーで特に驚きもしなかった私だが、それでも驚いたシーンはある。それは、バニラの求人トラックのシーンである。大音量で例の音楽が流れた瞬間、思わず吹き出しそうになった。許さねえ。

あと、君の名は。の主人公君達もいた。媚び売る以外理由が思いつかないが、とりあえずびっくりした。まあオタクアニメでも似たようなのわんさかあるし特に何も思わない。

 

映画館行って観たのは別に失敗とは思わなかった。やっぱり絵が綺麗だし。テーマ曲も、CMで聴いた時から、透き通るような曲調で物語のテーマとも合ってるなと思っていた。

 

この映画を一言でまとめると、「JC陽菜が可愛い」である。後半ずっとこれしか言ってないなこいつ。

 

2019/7/22追記

 もう一つ、今作で個人的に満足した点を挙げ忘れていた。ラストで、都心が海の底になるシーンである。ああいう荒廃感のあるビジュアルは性癖にぶっ刺さるので、観ていてとても気持ちよかった。あと、陽菜は救えたけど代わりに東京は救えなかったという、ご都合主義で全部何とかなったーじゃなかったのもよかった。

これを言いたいがためだけに追記した。追記まで読んで私の性癖に付き合ってくれてありがとう。