A boiled egg

ぼちぼちいこか

ガメラ2 感想

 先日、友人に連れられてガメラ2の復刻上映を観た。

 

 私はガメラもとい特撮には疎いのだが、特技監督・怪獣デザインとして樋口真嗣(エヴァシリーズにも関わってる人)がいるという事で、それに釣られて観たというわけである。ちなみに前作のガメラは観た事はない。一応友人からざっくりとしたあらすじや設定は聞いたが。

 

 観た後の感想としては、ガメラを全然知らなくても十分楽しめる作品であったと感じた。

 元々庵野作品の幾つかに触れていて、巨大ロボや生物のド派手な戦闘シーンが好きであったので、この手の特撮と私の好みの親和性が高かったのであろう。ストーリーの完成度や緻密さはそこそこに、アクションに思いっきり力を入れているというのは、難しい事を考えなくて良いので、頭を空っぽにして街が破壊されたり巨大生物がぶつかり合う純粋な爽快さを楽しむ事ができる。伏線回収や物語の構造が見事な作品も好きだが、こと戦闘が主体の作品においては、ある程度ストーリーに緩みがあった方が戦闘に集中して観れるというものである。

 

 電磁波やコンピューター・電話・携帯電話およびその回線による不具合等を背景として物語が展開されていったが、それらからはこの作品が1996年公開である事が強く感じられた。電子機器の見た目もそうだが、コンピューターの近くで携帯電話を使ってはならない等、一昔前を連想させるもので溢れていてとても懐かしく感じた。あと、眼鏡のレンズがガラス主体であった事を思わせるように、眼鏡をかけた人間が、ガラス等からシリコンを回収するレギオンに襲われているのも印象的であった(当時プラスチックレンズが無かったわけではないが)。

 

 基本的にこの作品に対する評価はかなり高いのだが、少し難色を示さざるを得ない部分もあった。とは言っても設定に突っ込みたくなる要素があったという話で、特撮もといフィクションにはよくある話なので、許容範囲ではあるのだが、それなりに気になったので。

 その要素は、レギオンがシリコンを材料として成長している、という部分である。シリコンとはケイ素(Si)の別名であり、石英やガラス(どちらも主な化学式がSiO2で、構造が異なる)に含まれている。レギオンは都市部を狙ってそこのガラス製品からシリコンを獲得していたのだが、いくらガラス製品が多いからって、もっと効率のいい場所あったやろと思った。石英もといケイ酸塩鉱物が豊富な鉱床狙った方が良かったのでは?シリコンの純度は下がるだろうが絶対量は多そう。

 まあ一応、都市部狙う理由も説明されてたので、いいっちゃいいんだが。

 

 科学的要素に多少突っ込みつつ、言うてフィクションだしと考えて深くは考えず、あとは爽快なアクションを楽しむ、それが私の特撮の楽しみ方だと思った。