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ぼちぼちいこか

漫画「金色のガッシュ!!」感想 ~1巻から石版編まで~

 先日、温泉の休憩スペースの漫画コーナーに置いてあった、金色のガッシュの完全版の1巻を読んだら、めっちゃ面白くてそのままkindleで全巻買ってしまった。とりあえず石版編まで読み終わったので、簡単に適当に感想を書いておこうと思う。

 

 その前に少しだけ自分語りを(飛ばしてもいいですwww)。ガッシュという作品に触れたのは今回が初めてというわけではなく、幼稚園~小学校低学年ぐらいの時にもアニメを観ていた記憶がある。「昔見てたな~」っていうぐらいの記憶しかないので、内容はほぼ覚えてなくて、なんとなくのぼんやりとしたイメージだけが脳裏に残っている程度である。そもそもちゃんと全話見てたかも怪しい。ただ、流石に1話の内容は知ってたし、その後の話でもメインキャラは全員見覚えがあったので、まあそれなりには見てたんだろう。

 小学一年生の夏、映画の「メカバルカンの来襲」を観た後に、狂ったようにプリッツの箱でバルカン300を作ったことははっきりと覚えてる。内容はやはり覚えてない。内容は覚えてないけど、めちゃデカいバルカンに乗ってるガッシュ達のキービジュアルと、映画館で買った記念メダルのことは覚えてる。メダルはまだ実家にあるはず。どっかの引き出しの肥やしになってると思うけど。

 

邂逅編

 「ふざけるな!」で「ザケル」が発動してしまうという超有名な冒頭は、とても心躍る要素が詰め込まれていると私は感じている。何気なく放った一言で強大な力を操ることができるようになってしまうという、つまりは「ひょんなことから大きな事件に巻き込まれた」系である。もうこれだけで、未来に待ち受ける苦難や困難とその先にある希望を彷彿とさせて、ワクワクしてくる。また、手に入れた力の正体が謎だらけであるのも、主人公たちの成長とともに明かされ、そして希望となる展開が約束されたも同然であるので、やはりワクワクが止まらない。

 これらはどれも、少年漫画のファンタジーものには鉄板であり、もはや古いとまで思われている導入かもしれない。しかし、そういうド直球さはむしろ少年漫画にはいつの時代でも必要だと思う。心の純粋な少年少女が読む作品は、その作品もまた純粋な表現である必要がある。年齢を重ねても、そういった作品を読んで、逆に少年の頃の心に戻りたいという人もいるのだから、いずれにせよである。

 つまり何が言いたいかというと、「こういうのでいいんだよ、こういうので」ってことである。やはり少年漫画……!! 少年漫画の友情・努力・勝利は全てを解決する……!!

 

 話が脱線してしまった。

 とにかく序盤は、強大な力を持ったガッシュという魔物の子供に振り回されて、時に戦い時に仲間を増やしという感じで、色々な魔物と本の持ち主と出会い、成長していくという、いわば「主人公たちの置かれた立場を理解するための前菜」みたいな流れである。

 好きなシーンは挙げたら枚挙にいとまがないが、例えばかなり最初の方で、ガッシュが不良に立ち向かって「清磨は大切な友達だ!」と言うシーンはその一つだ。あのシーンはガッシュにとっても清磨にとっても、人生の価値観を大きく変える転換点であるとともに、これから待ち受ける戦いに立ち向かう決心を清磨が固めるという、彼らを物語のメインテーマの軌道に乗せるために必要不可欠なイベントである。そのシーンで、柄にもなく号泣しちまったよ…… 以降も幾度となく泣くハメにはなるのだが…… 少年漫画的な純粋な友情は、やはり素直に心打たれるものがある。

 コルルという、無理矢理戦わされている魔物との出会いをきっかけに、「やさしい王様」になることをガッシュが志すようになるのも、戦う理由を見出したという意味で非常に重要なシーンであることは言うまでもない。戦う理由はガッシュだけでなく、各々の魔物や本の持ち主にもあり、それがぶつかり合ったり共感し合ったりするのも良い。特に石版編に入る直前のバリーとの戦いは大好きである。良きライバルとして敵も成長していく様はとてもアツい。ブラゴも似たベクトルではあるのだが、彼は常に怒った顔してるから「なんか怖い奴」感が勝っちゃうことが多いんだよなあ……() むしろだからこそ、時折垣間見える優しさにギャップ萌えが生まれて好きではあるんだが。

 

 やっぱバトルものの主人公は、戦いの中で成長していくのが一番燃えるし面白いと私は思う。「生まれた時から俺最強」系は勝つというのがほぼ既定路線だから、敵を薙ぎ払う爽快感よりも、「劇的な成長」という盛り上がりがないのがやっぱマイナスに感じる。どちらにしろ最終的に主人公が勝つにしても、前者と後者ではまるで印象が違うわけだし。内容を順々に追っていくのが「物語」なのだから、やっぱりその過程の描写は何においても最重要よね。別に、俺TUEEEが完全に嫌いなわけではないのはご留意願いたい。

 

石版編

 邂逅編が「前菜」なら、石版編は一つ目のメインディッシュという立ち位置だろう。つまりは「主人公たちの大きな成長のための、苦難や困難の第一段階」である。石版とかその他キャラとかがここでもかなり見覚えあったから、やっぱり小学生当時ちゃんと見てたんじゃないかなあって思い始めてる。

 

 ゾフィスを倒してココの心が元に戻ったとか、シェリーのこれまでの因縁にケリをつけられたとかというよりも、個人的にはウマゴンのパートナーが登場した時がめちゃくちゃアツかった。ただの「可愛いウマ」から「戦場を駆け抜ける戦士」への変貌が、ただただかっこよすぎる。戦闘形態が、「シュナイダー」っていうかっこいい本名に見合った勇ましいフォルムであるのも、本当に感動したシーンである。

 パムーンやレイラが石化の恐怖に打ち勝って味方になってくれるの最高だし、ビョンコが味方になって覚醒するシーンは大興奮だし、パティの最後の攻撃はそれもう完全に「失恋した女の子が髪をバッサリ切って、迷いを捨ててこれからを強く生きようとするヒロイン」でもう大号泣。マジで、戦いが終わったら全員魔界で仲良く遊んでてくれ……

 ビクトリームは戦うことに対する誇りをもってるのが素直にカッコイイ。分裂して有利に戦うつもりが、逆に弱点になっちゃうのかわいい。ベルギム・E・Oは厳つい見た目で中身マシュマロ系のただの癒し。小学生の時は見た目怖すぎて、テレビ画面直視できてなかった覚えがある。完全版のおまけ漫画で、ママが死んでることを悟って泣いてるベルギムに対してパティが「なら私があなたのママになってあげる」って言ってて、興奮のあまりベッドから落ちた。確かにパティにはバブみを感じる……

 

蛇足

 細かいところだが、魔物の子供たちの趣味嗜好がちゃんと「子供の遊び」の解像度が高いのが感心した。公園にバルカン300とかの人形を持って行ってごっこ遊びしたりとか、ロープ使って電車ごっこしたりとか。あと、ナオミちゃんのいじわるも解像度高いと思う。上り棒のロープ版?みたいなののロープをハチャメチャに揺らして下りられなくするの、私も小学生の時にやられてたなあ。作中と違ってロープじゃなくて鉄の棒だから、金属の音がクソうるさくて、それがさらに恐怖心を高めるというね。

 

 一番可愛いと思うキャラはやはりティオと大海恵になってしまうかな。超王道のロングストレートヘアー女の子は、分かっていても条件反射で好きになっちゃうんですよ。まあ恐らく主人公ペアとくっつくのは大海ペアなんじゃないのか?知らんけど。少年漫画のテンプレを考えれば、水野はいわゆる幼馴染負けヒロイン枠ではないかなあと。調べたらティオの声優くぎゅらしいし、2000年前半のアニメってことを鑑みると、その頃の作品はくぎゅのキャラが勝ちヒロインみたいなイメージが勝手にあるので、とりあえずティオは確定な希ガス。まあ最後まで読まないと分からんけど。

 小学生の時は女性声優はおろか声優自体に関心がなかったから、今日までくぎゅガッシュの声優ということを知らなかった。バルカン300作って遊ぶこととか、俺もザケル叫びてーとか、ブリかぶりついてみてーとかの関心しかなかった。確か初めて声優覚えたのが、小学校高学年の時のハガレン(新しい方)のエド(朴璐美)とアル(釘宮理恵)の二人だったかな?

 

 もう半分の巻を読み終わったんだね。はえーなおい。