A boiled egg

ぼちぼちいこか

アニメ「マッシュル-MASHLE-」 感想

 2023春アニメの「マッシュル-MASHLE-」を見た。

 

 魔法が全ての地位名声を決める世界で、脳筋のムキムキマッチョがその常識を破壊して頂点に立つというお話。完全にワンパンマンだなこれ。ワンパンマンに、ギャグ要素や「脳筋すぎて深いこと何も考えてない」的な雰囲気を2割増しした感じ。

 まあ正直、筋肉でゴリ押し系はたまに見る分には好き。なので今回は最後まで見ることにした。脳筋一辺倒ではなく、それ以外のキャラが奮闘する場面も一応あったので、それも見続けられた要因として大きい。

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 最終話で、マッシュが筋肉だけで超常的なことをやってのけてたことがバレた周囲の反応の「もはやファンタジーだろ」は、いろんな皮肉が効いてて面白いなと思った。我々現実の読者にとっては、魔法こそがファンタジーの最たるものであるが、筋肉という我々も鍛え得るものがそれを凌駕してしまったのが主人公:マッシュ・バーンデッドである。魔法が全ての価値観や常識、つまりは現実の根幹を決定するとも言えるあの世界においては、筋肉が魔法を上回ってしまったという、ある種のシュールが形成されてしまったと言える。そして我々現実側から見れば、本来は『魔法』が担うはずのファンタジーが、『筋肉』というよりリアリスティックな概念に奪われているシュールさ、として捉えることも可能であり、ここにおいて「もはやファンタジーだろ」に二重の意味が生まれることになる。

 まあ、我々の目線から見ても主人公がおかしいことは明白で、結局は魔法の世界から見ても現実の世界から見ても、彼は「ファンタジーだろ」と言うしかない立場にいるという皮肉の終着点に到達するほかない。筋肉おばけとかで説明できる次元ではない程に、全物理学者を嘲笑うかのような動きしかしてないのだから。慎重勇者のアニメとかにも多分同じこと言えるよね。あのアニメ最後まで見てないから知らんけど。

 

 とりあえず構造としては「異世界で魔法系チート使わずに、リアルな腕っぷしだけで最強になってみた件」っていうところだが、その例の筋肉が現実離れさせられるのは、俺TUEEEE系の流れを受け継いでいるからである、という推測は容易である。主人公やその周囲の人物の何かしらを特別にさせないと、物語をスタートさせるための起爆剤が存在できないので、これはある種当然ではあるのだが。

 

 筋肉が全てを薙ぎ払う系アニメを見たのがワンパンマン以来だった(多分)からひとまず見れたけど、2期は見る気起きるか正直怪しいなあ。なんだよ「イノセント・ゼロ」って。脳筋アニメのくせに小難しい言葉入れられても、こっちも視聴時は脳筋になってるから覚えられないんよ。レモンちゃんが可愛いってことだけしか覚えられてない。