A boiled egg

ぼちぼちいこか

大怪獣のあとしまつ 感想

 先日、映画館で「大怪獣のあとしまつ」を観てきた。2022年2月4日(金)公開日。

 

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 なんか色々言われてるみたい(悪い意味で)だが、私としては良かったと思う。まあでも70点ぐらいだが。映画の後半はトイレ滅茶苦茶行きたくて集中できてなかったので、この評価はもしかしたら見直す必要があるかもしれないが。

 

 

ちょっとネタバレあり

 

 

良かった点

 

 まず、物語のテーマが意外性があり面白い。

 「大怪獣の危機を何とかしよう」というのはウルトラマンしかりゴジラしかりガメラしかりと、散々あったが、「その後残されたものをどうするか」という作品は少ない(怪獣映画に詳しくないので知らないだけかも)。いかにも、ポスト・怪獣映画を狙った作品であることは間違いないだろう。ファンタジーを現実の社会・国家体制に当てはめてみたら、っていう作品は結構好きなので、ここが一番ポイントが高かったところ。

 

 そして、その死体の大怪獣を処理する際のアクション?シーンもそれなりに見ごたえがあった。取り敢えず調査のために怪獣に接近してその巨大さを演出したり、いざ死体処理の作戦実行で着々と進む現場の緊迫感と、実行の瞬間のカタルシスなどなど。とにかく怪獣映画「らしさ」はあった。

 

 また、死体処理を物理的にどう処理するかの問題だけでなく、誰がその責任を負うのかなどといった、つまりは社会的な利害関係もストーリーに組み込まれている。ここの部分は主に内閣内が、どこの大臣の管轄で処理、あるいは保存(観光資源化・研究等)するのかで揉める感じになっている。クソみたいな利害関係で対立してるの見るの大好きマン。

 ここのやり取りが、割と軽いノリで、ある種楽観的な雰囲気が演出されているのが特徴的だった。下ネタとか下品な表現とか割と出てくる。ギャグにしようと下ネタ無理に入れ込んで滑ってる、キツいラノベアニメみたいな感じだと思った。現場側は割と真面目な雰囲気だったが、現場側でもたまにそういうノリはあった。

 

 

良くなかった点(あくまで個人の感想)

 

 第一に、恋愛描写が多かった。別に恋愛要素は嫌いではないのだが、やけに強調してくるのが嫌だった。キスの瞬間をスローにする演出が何回かあって、それが一番うんざりした。そういうのは純粋な恋愛映画でやった方がいいと思う。

 死体処理での人間同士の利害関係を恋愛でも表現したかったんだろうなとは思ったのだが、わざわざ官能的にする必要あるか?多用する必要あるか?ってなった。恋愛関係が物語の根幹に関わってくるわけでもないし。

 

 次に、拍子抜けするようなオチだったのが挙げられる。物語の途中で「デウス・エクス・マキナ」の言葉が出てきた時点で嫌な予感はしていた。予想通り、結局処理できなかった死体をウルトラマン(多分)が宇宙に持って行って、死体処理問題が突然全部解決する形で終わった。

 光の戦士の前では人類のあらゆる努力など無力、というような「超越者への崇拝」みたいなことを言いたかったんだろうが、それでも処理作戦に関わった人の努力が無駄ってのは、そもそもこの映画の内容ほぼ全てが無駄って言ってるようなものじゃん。流石に嫌な感じはするよね。後味悪い作品は基本好きだが、「全部無駄でしたwww」ってのは好きじゃない。ちゃんと意味のある後味の悪さじゃないと好きじゃない。夢オチとかも同じ理由で嫌い。

 

 

まとめ

 全体的に見て、まあ面白くはあった。第二弾制作予定(予算半分らしい)ので、今作で悪かった点はもう諦めて、怪獣シーンとか政治的な揉め事の部分のストーリーを気長に楽しみにしておこうと思う。