A boiled egg

ぼちぼちいこか

Dreamin' Her 僕は、彼女の夢を見る。 感想

 「Dreamin' Her 僕は、彼女の夢を見る。」というPCのノベルゲームをやった。Steamで2022年4月28日発売。

 

 

store.steampowered.com

 

 プレイ時間は5.4時間ぐらい。シナリオの内容的・ボリューム的に値段(2480円)の割に物足りない感が強いが、まあそこはイラストの良さでカバーしていると思っておこう。ちなみにエロゲではない。

 

 

 

ネタバレ無し感想

 

色々語る前にまずOPが神なんで見てください何でもはしません。


www.youtube.com

 

 

あらすじ

五十嵐蒼は疲れていた。
母親の希望に合わせた受験勉強漬けの日々。
趣味の小説もうまく書けない。
自分の存在意義まで疑う高校3年生の夏。

彼の癒やしは幼馴染の七瀬未来だけ。
彼女と一緒にいられる時間が、
唯一、蒼に安らぎをもたらしてくれていた。

だが、そんな未来にすら理由もわからず拒絶され、
絶望に染まる蒼の夢に、"彼女"は突然現れた。

――そこは、美しい海だった。
薄桃色の砂浜に、一人の少女が佇んでいる。

七瀬未来にそっくりな、夢の中の彼女――

(公式サイトより)

 

 

 何と言ってもまずヒロインである未来が滅茶苦茶可愛かった。ストーリーに惹かれたのもプレイしたいと思った理由の一つだが、彼女がビジュアル的に私の性癖に突き刺さった影響はかなりでかい。

 

 

 夢の中の未来は↑の黒髪ではなく白だが、まあそっちも可愛かった。てか同じ人が描いてるんだから当然と言えば当然なんだが。

 

 シナリオの満足度として言えば、まあまあかなって感じだった。構成も丁寧だし納得のいく終わり方はしていて結構いい感じではあるのだが、どうにもキャラクターに感情移入しづらいというのがある。

 心理描写が主人公のみになっているのと、過去の心理描写が少ないことが理由として挙げられる。

 前者に関してはこの作品に限った話ではないし、そもそも物語自体が短いからあちこちにスポット当ててると収まりがなくなって薄っぺらくなるので、ここはまあ良しとしよう。だとしてももう少しヒロイン目線の語りも欲しかったが。

 後者が特に残念だったなと思ったところで、過去に関する情報が少ないために過去と今との繋がりが希薄に感じられてしまい、キャラクターの想いや人間関係に深みがあまりないように思われた。これの影響で、ラストの感動が薄れてしまった感があるなと私は思っている。それでも十分泣いたんだけどね()

 

 本当に一晩で終わるようなボリュームなので、サクッとギャルゲーやりたい人は是非。内容的・ボリューム的な満足感は賛否両論あると思うが、イラストが好みだなって思ったらやってみるのはありだと思う。日常パートの未来が本当に可愛い。なんで私の幼馴染じゃないの???

 

 

 

 

ネタバレ感想

 

 ジャンル名にもある「夢が現実を侵していくオカルトADV」とあるように、主人公が現実と夢の区別がつかなくなる、あるいは夢の中に一生閉じこもるみたいな展開をまず期待していた。ので、まさに夢の中に閉じこもるノーマルエンドや、現実に夢を持ち込んで最後は現実に絶望して自殺するBADエンドは期待通りではあった。普通にあった日常が破壊されていくのが最高に気持ちええんじゃ()

 

 TRUEエンドは、ネタバレ無し感想の最後の方でも述べている通り、心理描写が偏ってたり不足していたりで感動が薄まってしまっていると思っている。昔から今までずっと未来や紡凪が主人公を好きなのがいまいちピンと来なかった。

 紡凪に関しては少なくとも現在好きというのは十分伝わって来るが、過去にベクトルを向けたときに情報の少なさで感情移入しづらいのである。物語の核心に迫ってしまうから、過去のことについて述べづらいというのは分かるんだけど。「深い理由なんてない、一緒にいて、気づいたら好きになってた」みたいに作中でも言われてるからそれが全てなのだろうが、やっぱり「お話」である以上然るべき理由を求めてしまう。これは私自身の「お話」に対する価値観だからどうしようもない。

 未来に関しては現在も過去もマジでピンと来ない。再開してふとしたことでまた仲良くなって、それで急に恋愛感情出されても「なんで?????」ってなるだけなんだが。まあ毎朝起こしに来たり後ろから目隠ししたりする幼馴染が主人公を好きじゃないわけがなんいんだけど。

 未来も紡凪も、その恋愛感情は理屈の上では分かる。理屈の上では分かる説明は十分されてる。「幼馴染」という単語で無理矢理納得しようとすればできるかもしれない。ただ、圧倒的心理描写不足で情緒的にはやっぱり納得できないってことね。

 

 だがこれらを踏まえたとしても、最初から最後まで流れは丁寧で綺麗だったし、最後には泣かされたのも事実である。最後に紡凪に言う言葉は「好きです」とかかな~って何も考えずにいたら「おやすみ」って選択肢出てきて、なるほど確かにうわああああああああってなった。紡凪寝ないでくれ……って号泣しながら10分ぐらいしてようやく選択肢クリックできた。あと、全部クリアした後にOPの歌詞見て「ふりかさなった 雪ほどくように」と「おやすみってその声で言って もうなにもいらないよ」で色々感情がぐちゃぐちゃになった。

 

 余談というかちょっとした考察だが、タイトル画面の子は紡凪でいいのかな?胸が成長しているので、「もし生きてたら今こんな感じ」っていうことなんじゃないかなと。ヘアピンとか髪結んでたりしてないし、近くにある赤い花びら(=血)からも紡凪でほぼ確かなと思っている。あとOP映像からも解釈できる。

 それと、OPの「蒼のリング」のリングの解釈がいまいち分からないので、分かる人いたら教えてくらさい。