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ぼちぼちいこか

ゲーム「CHAOS;HEAD らぶChu☆Chu!」感想

 科学アドベンチャーシリーズの一作目「CHAOS;HEAD」のファンディスクにあたる、CHAOS;HEAD らぶChu☆Chu!」をプレイした。*1Xbox 360版、PSP版、PS3版があるが、私はPSP版をプレイした。内容はどのバージョンでも同じだと思う。違うのはOPぐらい。

PSP版のOP

youtu.be

 

 以下、「CHAOS;HEAD」に関するネタバレを含みます。一応、重大なネタバレは白抜きにしてあります。

 

 

 

 このゲームは、前作「CHAOS;HEAD」のトゥルーである「Blue Sky」エンド後に、眠ったままの西條拓巳を目覚めさせるために、6人のヒロインが彼の心象世界に潜り込み、拓巳が目覚めることができない原因の追究をしつつ、女の子とイチャコラもするという内容になっている。ゲームタイトルを見れば分かるが、イチャコラがメインですハイ。

 このように、本作はギャルゲー的要素がメインであり、また位置づけも「ファンディスク」であるが、物語としては正統な続編となっている。前作で起こった出来事を前提として会話や物語は展開されていくし、ただイチャイチャするだけではなく、ちゃんと心象世界から脱出しないと拓巳が大変なことになるという、シリアス要素も物語の本筋としてしっかり組み込まれている。

 「CHAOS;HEAD」の閉塞的なシリアスも残しつつ、ヒロインの可愛い姿も見たい!という人にはもってこいなのがこの「CHAOS;HEAD らぶChu☆Chu!」である。科学アドベンチャーシリーズのファンディスクはどれも大体、シリアスも多分にあるギャルゲらしいので、そういうところはやはりニトロプラスと言ったところだと思う。まあ、科学アドベンチャーもといニトロプラスじゃなくても、大体のギャルゲには何かしらのシリアス要素があるものだけれど。何をもって「シリアス」と見るかにも依るが。

 

 本作が最終的に辿る結末は、どれも似たようなものである。それは、拓巳が各ルートでそれぞれのヒロインを好きになり、それと同時に、二次元の嫁である星来も好きであるということを自身の中で認めることが重要であった、というものである。拓巳が心象世界から目覚めることができない原因は星来にあるのだが、世界から脱出するためには彼女を殺したり消したりするのではなく、受け入れて、「自分の本質はオタクだ」と自分自身が認めるしかなかったのである。前作の終盤で拓巳は星来のフィギュアを失くしたり、星来の幻影とを倒したりして、別れっぱなしであった。それ以降、本作の終盤に至るまで拓巳は、星来を敬遠し続け、あまつさえ「脱オタしてリア充だ!」とか言い出す始末になってしまった。しかし、彼は生まれた(発生した)その瞬間からずっとオタクとして生きてきたので、オタクであることを否定してしまっては、彼の存在そのものを否定してしまうことになる。即ち、文字通りの生粋のオタクである自身の本質を認め、星来を改めて受け入れることで初めて、前作の終盤で離れ離れになってしまった心残り、つまりは心象世界から目覚めることができない”枷”を無くすことができたわけである。西條拓巳の人間的本質が何であるかは前作でも語られるところ(だったはず)なので、まとめ方が綺麗で納得しやすいオチだなと思った。

 

 唯一のバッドエンドでは、拓巳の精神が心象世界に溶け出し、自我が失われて一生目覚めないというものであるが、このルートではどのヒロインとも恋愛関係にならないが故に拓巳が「目覚めずに、もうこのままでいいや」という結論に至り、現実に戻ることを完全に否定したからである。「現実世界のヒロインとの恋愛」のみが、現実に戻ろうとする原動力になり得るということである。こう考えると西條拓巳って、恋愛のことでしか人生を捉えてない、頭の中が真っピンクな奴ってことになるよな。うーん、普通にキモイと思ってしまいました。

 ちなみに、バッドエンドであるこのルート、正確には星来ルートにおいて、現実に帰還する他のヒロインのルートと同様に、「殺すべき」と考えていた星来を受け入れ、そして精神が心象世界に溶け出した。ここにおいて、虚構である「星来を受け入れる」ということと、精神の溶け出しは関与していない点に注意すべきだなと思った。あくまで「現実のヒロインとも恋愛をして、現実に帰る気になる」かどうかに拓巳の精神の運命が関わっているのである。もし星来を受け入れたら精神が溶け出してしまうのであれば、全ルートがバッドエンドになってしまう。兎にも角にも、現実の女の子と恋愛ができない人間は漏れなく〇ねっていう、志倉千代丸のメッセージですね分かります。

 

 あとは軽く、私の好みのキャラの好みのシーンの話とか

 

  • 蒼井セナのロングの青髪を拓巳が クンカクンカ してるシーンは、拓巳の方は素直にキモいし〇んでほしいと思ったけど、セナは何食わぬ顔で話続けるある種の諦観みたいな雰囲気が、むしろかっこよささえ覚えた。私が拓巳だったら、私も クンカクンカ してると思う←キモイし〇んでほしい

  • 西條七海が可愛いすぎた。本作のCGの中で、好みのCGが一番多かったのが彼女。意味不明な暴言を吐くツンデレ妹、やっぱりこういうのだよこういうの。※ただし二次元に限る
  • 七海に対する拓巳の想いについて、「妄想だろうと現実だろうと全ての七海を大切にしたい」と語っていたのを見るに、前作の七海ルートでも彼なりに最大限の妹への愛情を表そうとした結果なのかなあと、拓巳に少し同情しそうになる。しかし前作では、現実の七海の方を拓巳は全く信用せずにいたので、やっぱり前作と本作との妹愛は似て非なるものなのかもしれないとは思う。本作で拓巳が「妄想でも現実でも、誰も妹を弄んではならない。僕自身でさえも」と語っているところからも、全然別物の愛情が形成されているの可能性は高い。まあ取り敢えず、前作の七海ルートの西條拓巳はクソってことで。
  • ビシィさんこと咲畑梨深は、えっちいCGはいくつかあったねぐらいの印象。ピンク髪は淫乱。脇露出させられたり、転んだ拍子に股が拓巳の顔面と正面衝突したりってのがあったなあ……それ以外なんか印象的なのあったっけ……見た目はかなり好きなキャラなんだどな…… あっ、研究所にいた頃のトラウマで、ベッドで横になって眠ることができなくて、地べたの方が寝れるってのとかが軽くショッキングではあったかな。
  • こずぴぃとセナの百合ポッキーゲームは大変尊くございました。このゲームの魅力の99%は、彼女らの仲睦まじいやり取りで成り立っていると言っても過言ではない。もしかしたらこのゲームは百合ゲーだったかもしれん。
  • 楠優愛と美愛、どっちが好きかと言われれば美愛かもしれん。口調も言葉遣いもそっけなくてぶっきらぼうな方が、デレた時とのギャップ萌えが強まって良い。ギャップ萌え好きは美愛派、おねいさんにいぢめられたいだけの、ただのドMは優愛派なんじゃないかなって勝手に思ってる。あと美愛の方が口調的にリアルJK感が強まるので、そういった意味でも興奮する。でも、優愛のギャグ得意技の「五段活用問い詰め」もかなり好きだから、正直言って甲乙つけがたい。
  • 岸本あやせ(CV:榊原ゆい)、約束された神EDだった。
  • エリンルートなんでないの……(´;ω;`)
  • CHAOS;HEAD本編やって以降ずっと、小さい段ボール箱が届くと毎回少しだけ緊張してしまうんよね。突然箱の中から着信音が鳴り出したらこわいなーとか。

 

 おわり。Ever17やりてえと思う今日この頃(そう思うだけで、積むしか能がない)

*1:「らぶChu☆Chu!」の略称は「LCC